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蒔絵図録五十嵐派本阿弥光悦山本春正小川破笠永田友治小川松民

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『蒔絵図録五十嵐派本阿弥光悦山本春正小川破笠永田友治小川松民』はセカイモンでから出品され、6の入札を集めて11月12日 11時 27分に、2,340円で落札されました。即決価格は2,340円でした。決済方法はに対応。富山県からの発送料は落札者が負担しました。ＰＲオプションはストア、取りナビ(ベータ版)を利用したオークション、即買でした。

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2021年ミホ・ミュージアム発行
全200ページ
状態：中古概ね良好

■本書序文■
桃山時代から江戸時代前期にかけて、日本の工芸はひとつの頂点を迎えた。
陶芸、金工はもちろん、ことにみごとな美の精粋を生みだしたのが #漆芸

ことに蒔絵であった。

豪華絢爛な高台寺蒔絵は、豊臣秀吉のもとに下剋上のエネルギーが爆発した時代に登場する。
そこに秘められた力は巨大な城郭の中の大書院の空間に負けないものがある。

しかしその一方で、豪華の対極になるような、絢爛さを削ぎ落とし、
簡潔の中に誰もが手にして飽きることない庶民の蒔絵も生まれた。
今回相当数の作品が展示できた嵯峨棗といわれる愛すべき茶器である。

嵯峨棗が土産物であったとする説もあるが、私はそう思わない。
千利休の弟子の古田織部が慶長4年(1599)3月に吉野へ行った時、
同行する人びとに「数棗」をひとつずつプレゼントしている
この数棗こそ、町棗ともいわれる市販の嵯峨棗であったと思う。
つまり天下の宗匠といわれる大茶人が選んで人に配るような、審美眼に叶う茶道具であった。

江戸時代初期の寛永文化には、天才本阿弥光悦が登場し、
琳派という日本美の根幹をなす美のスタイルを誕生させた。
優美にして繊細、しかも大胆な空間感覚が寛永の美であった。
大名道具から町衆の遊興の器まで、蒔絵の美が輝いた。

本展ではその中に「蒔絵屋から蒔絵師へ」という副題をもつコーナーが用意されている。
ここから私が連想したのは千家十職の塗師中村宗哲家の誕生である。
千利休の孫千宗旦の次男の甚右衛門は吉文字屋という蒔絵屋へ養子に入った。

しかし茶の湯の道が諦めきれず、千へと復姓するが、
その際、娘を隣家の中村八兵衛に嫁がせると同時に家業の漆芸も中村家に譲ったという。
八兵衛は漆芸に精進し、初代中村宗哲として茶の湯道具の名工として名を残し、今日までその家は続いている。
まさに蒔絵屋から蒔絵師として名工が誕生した時代である。

#永田友治にしても #五十嵐道甫にしても、そのほか、
数々の漆工が活躍する時代本展の末尾を飾っている。

1世紀の開国以後、日本美の象徴として
欧米諸国の美術愛好家をとりこにした蒔絵の世界を存分にお楽しみいただけると幸いである。